灼熱
ひだかたけし

死への願望を超え
魂の故郷を予感するとき
もう一つの現実に達するため
このわたくしを祝福する鐘が鳴る

遠く包み込むその響き
黄金の木霊に意識は遠退き
立ちはだかる壁を突破する
憧れては懐かしみ
未完成のまま、未完成のまま
再び立ち入る魂の故郷へ
今正しく涅槃を超え死を超えて
祝福された現実へ至る

死への願望を超え
魂の故郷を予感するとき
わたくしの抱えもつ恐怖は消え
無生物への後退を夢みる
エクスタシーを見下ろして
新たな祝福の次元へと跳躍する

この内なる廃墟を打ち壊し
燃え上がる一つの灼熱!


 







自由詩 灼熱 Copyright ひだかたけし 2022-05-09 18:01:34
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