幸福な毎日(眠いけれど)
坂本瞳子

意図せずに朝早く目が覚めるのは辛い
歳を取ったということか
目が覚めるものだから起き上がる
起き上がるから顔を洗う
そして朝食を取る
食後のコーヒーを飲み
朝刊を読んでから歯を磨く
それから二度寝をしようと試みるがうまく眠れない
仕方がないからなんとなく仕事を始める
眠気があるからはかどらない
かと言ってうたた寝もできない
なんとなく仕事を続ける
眠気があるからはかどらない
かと言ってなにもしない訳にもいかない
こんな感じで午前が過ぎゆく
正午近くになって昼食を取る
ちょっとでも昼寝ができるだろうかと試みる
十分程でも仮眠を取りたいと願いつつ
三〇分も寝過ごしてはいけないと
気が気ではなく五分と寝ていられない
そんな感じで午後も働く
眠気があるからはかどらない
午後もなんとなく過ぎゆく
三時頃にはおやつをいただく
おやつ後もちょっと仮眠を取りたくなる
最大十分と思うけれど
三〇分も寝過ごしてはいけないと
心配しすぎてまたもや五分と寝ていられない
眠気を抱えたままなんとなく仕事をやり過ごして夕方を迎える
あと数時間と我慢をして五時を迎える
そしてこの日の仕事を終える
今日も一日はかどらなかった
そして夕食を取る
早々に風呂に入る
なんとなくテレビでも見る
寝落ちしたりしてなんの番組だったかも分からない
構いやしない大した内容じゃないんだもの
夜はふけゆく
就寝する
寝付きは悪くない
朝早くに目が覚めないことを願いつつ
眠りにつく
こんな感じで日常はすぎてゆく
明日もまたきっとこんな一日
それでも平穏無事に過ごせている


自由詩 幸福な毎日(眠いけれど) Copyright 坂本瞳子 2022-05-08 22:54:38
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