船
TwoRivers
乗れないはずの船だった
意地になってもわかっている
もう負けたことくらい
干からびることのない海の上で
船はまだ心を留めている
消したい過去さえ綺麗な夜に
逃げ込んだ夢の中
雲量、零
風力、静穏
精神と肉体は
熟成から腐敗へ
帰る場所は一つだから
もうこの船は降りない
身を投げ出す前に仰いだ月が
夢にしては眩しかった
自由詩
船
Copyright
TwoRivers
2022-05-08 19:28:44
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