サマージャンボマッドネス
末下りょう

夢売るかいじゅうに夢見られたくて 水溶性のチケットを握りしめた夏

穴空きズームで遠くを見てるようなぼくの毎日から
声がする

きっとまた会える あの日みたいにハルゼミの鳴き声が 雨が また降るなら

空を 楕円に舞う 鳥たち
π羽の黒い羽の折り紙
すっかり 暗がり
少し 怖がり

泥だらけの ガンダムの月星シューズ
引き出しに閉まった
ホームワーク

パラノーマルなアクティビティーな遊び人たちが
白亜のサイバー ボディー ボーダレスな 光の波間に飲まれていく double ナイトクリック

赤と青のシールが剥がれたルービックキューブの
升目を流れるシナプスを逆流する
カニクロスのワイマラナー

燃え落ちる流星と銃声が
交錯する街の
ライフロンダリング

エゴと反吐
メタボな白鯨の餌にする 自己 からの
エクソダス

だからたくさん糞を出す

単純なことを繰り返し聞かなければならない夜がある

サマージャンボマッドネス

目を回した一羽の折り鶴を あの先の河に流しにでも行くような





自由詩 サマージャンボマッドネス Copyright 末下りょう 2022-05-08 12:24:24
notebook Home