ストライプ・ドライブ
望月 ゆき

疾走感 と 焦燥感 の
折り重なった狭間で、
ドライブ

車の窓から手を出して
うしろへ、うしろへ、
流れてゆく景色を
さわって、あそんだ

ときどき
指のあいだをすりぬけて
流れ去ってしまう、
二度とさわることのできないものがあって
それは
落としてしまったルースや
いくつもの幼い恋のように
透明で、なまぬるいもの
だった


明るいうちに、ぼくらは走ろう


ストライプの、隙間
しまっておいた言葉が
こぼれてしまわないように
夕闇から、逃げて
街から街へ
岬から岬へ
人から人へ


先回りしても、いいんだよ
心だけ



なにもかも伝えることなんて、できない







自由詩 ストライプ・ドライブ Copyright 望月 ゆき 2005-05-02 13:43:51
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