成長するっていうこと
花形新次

人は
人として経験すべきことを
経験して
初めて成長する
誰かを好きになって
振られたり
誰かに好きになられて
恋人になったり
仕事に就いて
成功したり失敗したり

結婚して子どもが出来て
親となって
子どもの成長とともに
自分も成熟して行くのだ

私の子どもには
発達障害があって
27歳の今も
実質は4、5歳程度
の振る舞いしか出来ない

私も妻も
いつまでも
幼児を扱うように
子どもを褒め、叱らなければならない

親として
経験するはずの
反抗期も受験も何も経験せずに
27年が過ぎてしまった
そりゃあ、他の人には
到底経験出来ないことは
色々してきた
でもそれは特別なことではなくて
単にそのときの子どもの年齢では
あり得ないことを経験したに過ぎない

私は子どもが生まれた
27年前と同じであり
子どもがそのままである限り
変わりようもないし
逆に自分だけ老成する訳には
行かないのだ

身体はガタガタになりつつあるが
いつまでも大人げない
人間として
変わらずに生きて行く

それしか出来ないのだ


自由詩 成長するっていうこと Copyright 花形新次 2022-04-30 14:25:41
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