連合軍の反撃(四)
おぼろん

その少し以前。すでに述べているように、クールラントの実権は、
祭祀ドルイドであるクーラスに握られていた。
祭祀クーラスは、祭祀会議に議題をかける。
それは、これからの遠征軍をどうするか、というものだった。

「我が国とラゴスはアースランテに対して非常に苦戦している。
 アースランテの首都からは、援軍も出発したらしい。
 このままでは、消耗戦の末に殲滅させられることは間違いない。
 それでだ、撤退の頃合いを皆に諮りたいのだ」

「クーラス殿、それはラゴスとの連合を破棄するということですか?」
「少し違うな。決戦場を変えるように、見せかけるのだ」
「それには、巧みな弁舌を持って相手を誘導する者が必要でしょう」

「戦士エイソスを遣わしてはいかがでしょうか。
 彼は、清廉潔白な人物として、諸外国からも認められています」
「そうだな。そうしよう。エイソスへの伝令を出せ」祭祀クーラスは言った。


自由詩 連合軍の反撃(四) Copyright おぼろん 2022-04-29 14:03:04
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クールラントの詩