ヒスフェル聖国参戦(十一)
おぼろん

そのころ、クールラントの聖騎士フランキスは、
一人たたずんでいるエインスベルに声をかけていた。
「アジェスの森では、アイソニアの騎士には出会えなかったな。
 いつ、今生の別れになるとも分からぬぞ」
 
「病気による死、事故による死、老衰による死、誰かに殺されての死、
 それらはすべて同じものだ。なんらの違いもない」
「クールなのだな。さて、お前はアイソニアの騎士を葬れるのか?」
「無理だな。アイソニアの騎士は、わたしとお前の二人がかりでも倒せない」

「それはなぜだ?」フランキスが問う。
「アイソニアの騎士は、個人で戦っているように見えて、
 巧みに仲間と連携している。アイソニアの騎士は一個の中心にすぎないのだ」

「よく分からぬ理屈だな。俺は、再び奴と出会ったら、全力で叩きのめす」
そこに、ラゴスの正魔導士エミル・アザルが現れた。
「わたしを忘れてもらっては困るな。アイソニアの騎士はわたしが倒す」


自由詩 ヒスフェル聖国参戦(十一) Copyright おぼろん 2022-04-27 13:22:06
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩