黒い猫。
千翔

黒い猫は雨に打たれて可哀想でした
可哀想だったけど暗い路地裏にいたので
誰にも気づかれないで一人でにゃー、とかぼそく鳴いているだけです

冷たい雨が
猫を打って


誰かに拾われたほうが幸せでしょうか
誰かが優しくしてあげたら満たされるのでしょうか


捨て猫に誰が「あい」をくれるんですか
愛されなかったから捨てられたのに

偽善者ぶる大人が
黒い猫を見て
眉をしかめ


「まぁ縁起でもない」


黒い猫に罪はありますか
誰かが優しくしてあげれば



猫だって泣くんです。


それを


あなたが


あなた自身が


分かってください。




自由詩 黒い猫。 Copyright 千翔 2005-05-02 01:38:20
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