ヒスフェル聖国参戦(四)
おぼろん

「よし、アースランテには宣戦布告の早馬を使わせ。
 そして、ラゴスとクールラントの軍には、
 我が軍が共に戦闘に参加する、ということを伝えよ」
オアシム・ラ・ハグールは威厳に満ちた声で発語する。

「聖王様。一つ気になることがございます」オスファハンが言う。
「それは何だ?」オアシムは問い返す。
「それは、ファシブルの動向です。ファシブルは今のところ、
 静観の構えを保っています。それはなぜでしょうか?」
 
「そなたの言っていることがよく分からぬが?」
「それです。ファシブルの国は、アースランテが十分衰えたところで、
 アースランテの国に侵攻するのではないか、と思われるのです」
 
「アースランテの次はファシブルか。厄介だな。
 そして、その方の対策は整っているのか?」
「万全に、とは言いますまい。この戦いの行方、小生がなんとかしてみせます」


自由詩 ヒスフェル聖国参戦(四) Copyright おぼろん 2022-04-25 12:58:23
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クールラントの詩