簑田伶子

雨をふらすようにわらうから
雨乞いのように
見ていたんでしょう

でも、春だから
軽率に片付けてゆきます



みじめなあたたかさだった
うしなわれる可能性について考えるとき
そこにはただ
自惚れがあった

階段をころげおちるようにひろがる
音楽が
あたまのなかで
つま弾かれていく
次から次へと
踏み外してゆくから
軽やかで
踊っているようだった

まだ、春だから

練習だと
いいのだけれど





自由詩Copyright 簑田伶子 2022-04-25 00:48:37
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