何かを忘れても
こしごえ

何回でも
繰り返し言います。
今日も無事に
私は一日を
終えられた
と手を合わし目をつむり
ありがとうさま
と。何かを忘れても

あの人が居なくなってからも
いえ むしろ
あの人が居なくなったからこそ
詩を書くことを私は
やめちゃならないような気がする
そうね でも
あの人のためにっていうわけじゃない
あえて言えば、私の
いのちに従い
詩を
書く
何かを忘れても

あなたを思う。
私は恋愛はしないので
恋愛するという意味ではないけれど
あなたを思う
何かを忘れても

何かを
忘れていても
あなたの言ってくれた言葉を
そよぐ木々の青葉を
通りすぎる光る風を
思う。
何かを
忘れていても
涙越しの宙の月を
歌うのは何か
こころの闇に耳を澄まして
生と 死を
生と死を思えば、私というやつは
絶望を失う。そして私の
一生背負うこころの傷を
光る風はやさしくなぜる

何かを忘れても
今は無くならない。
あなたと
私の
今はさまざまな今と
つながっている
何かを
忘れていても
何かを忘れても
つながっている
今を 味わう


自由詩 何かを忘れても Copyright こしごえ 2022-04-22 16:50:23
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