白い足音
ひだかたけし

薄日の白い道が伸びている
わたしはひたすら歩いている
薄日の白い道が伸びていく
わたしはひたすら歩いていく
到達点は何処にもない
ただ懐かしい道のりがあるばかり
ただ憧れに充ちた道のりがあるばかり

あなたを見つけることはない
あなたに達することはない
あらゆる比喩の後ろに隠れ
比喩としてしか現れないあなた
魂を共感に浸すとき
かろうじてその足音を聴く
迫り来る白い足音が
比喩の回廊に響く

薄日の白い道が伸びている
わたしはひたすら歩いている
薄日の白い道が伸びていく
わたしはひたすら歩いていく

自己耽溺の罠は解けたかい?
自己耽溺の夢は溶けたかい?

遠い山陵へ翼を飛ばすように
逃れいく主体が問い掛ける

解放された夢に包まれたかい?
解放された現に溶けたいかい?

白い足音に満たされて
白い足音を追いかけて













自由詩 白い足音 Copyright ひだかたけし 2022-04-20 20:52:53
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