アジェスの森の戦い(二)
おぼろん

ラゴスの軍団長である、カイザー・ネルは言った。
「いいか、ここを突破されれば、残るのはナハテ・ガルの砦のみだ。
 しかし、ナハテ・ガルに籠城するということは、
 すなわち、我々ラゴス軍の敗北を意味する」

「なぜなら、敵は容易にナハテ・ガルを迂回して、
 ラディアに攻め込むことが出来るからだ。
 幸いにして、このアジェスの森は魔法素子が濃い。
 そして、アースランテの前衛軍も遅れている」
 
「我々は、なんとしても、ここで敵を食い止める。
 心配するな。クールラント軍からの早馬の報せでは、
 クールラントには、まだ二万余りの兵力が残っている」
 
「ラゴス万歳! カイザー・ネル万歳! 俺たちは、
 ラゴスの土地を、みすみすアースランテの奴らの手には渡さない!」
ラゴスの兵士たちは、息まきながら叫んだ。


自由詩 アジェスの森の戦い(二) Copyright おぼろん 2022-04-20 09:08:52
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クールラントの詩