ライランテ戦争開戦(八)
おぼろん

フランキスは、軍務大臣に謁見を許された。
そして、ラジーク・ユーゲルが著した書簡を手渡す。
フランキスは、口頭でも説明した。
「アースランテの軍隊は、当初の作戦を変更したのではないでしょうか?」

「それはあり得る話だな」シュランク・エルベが答える。
「今、アースランテの軍は南進をして、ワイジェの丘へと向かっています。
 前衛部隊のみならば、互いの勢力は互角でしょう。
 しかし、後衛には補給部隊を取り囲む六万の兵がいるのです」

「縦深防御は失敗したか。こちらも作戦を変えねばなるまい」
「幸いなことに我が軍には、高名な魔導士たちが多くいます。
 決戦の地を移動させるだけの時間は、稼げるものと存じます」
 
「よし、我が軍とそなたの軍は、アジェスの森で合流するとしよう。
 水際作戦に転換することも、考えておかねばなるまい」
「承知いたしました。合流地点は、アジェスの森ですね」


自由詩 ライランテ戦争開戦(八) Copyright おぼろん 2022-04-15 07:11:36
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