ライランテ戦争開戦(七)
朧月夜
シュランク・エルベへの使いに選ばれたのは、
かのフランキス・ユーランディアであった。
シュランク・エルベは、ラゴスですべての軍務を司っている。
その彼と対峙するには、それなりの器量を持った人間が必要だったのだ。
フランキス・ユーランディアは、復讐心にも燃えていた。
すなわち、この戦いでなんとしてもアイソニアの騎士を葬らねばならない。
集団戦であろうと、個人戦であろうと、手段は問わないつもりでいた。
そのアースランテの軍勢が、ここワイジェの丘に迫ろうとしている。
「シュランク・エルベには、決戦の地を移動するように、
伝えてもらいたい。それと、我が軍と前衛部隊が戦うことを避けることも。
ここでは、両者が一体となってこそ、戦果を発揮できるだろう」
「かしこまりました。シュランク・エルベ殿には、
ラゴス南部での戦況を詳細に伝えることにしましょう」
フランキスには、ラジーク・ユーゲルがしたためた書簡が託された。
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クールラントの詩