ライランテ戦争開戦(七)
朧月夜

シュランク・エルベへの使いに選ばれたのは、
かのフランキス・ユーランディアであった。
シュランク・エルベは、ラゴスですべての軍務を司っている。
その彼と対峙するには、それなりの器量を持った人間が必要だったのだ。

フランキス・ユーランディアは、復讐心にも燃えていた。
すなわち、この戦いでなんとしてもアイソニアの騎士を葬らねばならない。
集団戦であろうと、個人戦であろうと、手段は問わないつもりでいた。
そのアースランテの軍勢が、ここワイジェの丘に迫ろうとしている。

「シュランク・エルベには、決戦の地を移動するように、
 伝えてもらいたい。それと、我が軍と前衛部隊が戦うことを避けることも。
 ここでは、両者が一体となってこそ、戦果を発揮できるだろう」
 
「かしこまりました。シュランク・エルベ殿には、
 ラゴス南部での戦況を詳細に伝えることにしましょう」
フランキスには、ラジーク・ユーゲルがしたためた書簡が託された。


自由詩 ライランテ戦争開戦(七) Copyright 朧月夜 2022-04-15 07:10:59
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クールラントの詩