忘却の彼方
坂本瞳子
忘却の彼方へ
なんてそんな言葉を言ってみたかった
それだけのことだ
そんなところへ行ってみたいとも思う
どこにあるのかなんてまったく想像がつかない
なにもかも忘れてしまう
そんなことだろうか
そしたらなにが残るんだろうか
自らを認識できるのだろうか
そんなこと考えるとむしろ不安が大きくなる
しかも考えてみるだけで結局はなにもしないんだから
意気地なしめ
忘却だなんて格好つけた言葉を使ってみても
ただそれだけのこと
たったそれだけのことなんだ
自由詩
忘却の彼方
Copyright
坂本瞳子
2022-04-07 20:04:33