柔らかな非情
atsuchan69

殺戮し、
燃え残った廃墟の街をゆく、
風が死んで、
血溜まりのある道に、
柔らかな非情の陽が射して、
子らが走り抜ける路地をさ迷い、
幾度か女を犯し、
鉄錆の味を舐めながら、
突撃銃を抱え、
新しい地獄へとつづく、
深く果てのない淵を覗いては、
また一歩、
前進し、
自由という名の、
赤黒い薔薇の花を想いつつ、
また一歩、
前進し、
殺戮し、
死、
燃え残った廃墟の街をゆく、
ただ、
泣き叫ぶ老婆を黙らせるために、
引き金を引き、
ありふれた無惨な日々が、
今、
ここに、





自由詩 柔らかな非情 Copyright atsuchan69 2022-04-07 08:02:11
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