ジョバンニへの応え
りゅうさん
『新編 銀河鉄道の夜』 宮沢賢治著 新潮文庫 平成元年6月15日発行 216頁
「……僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」*1
君の体が百ぺん灼かれたら
君の父母がどれだけ悲しむことか
また君の信奉者がどれだけ悲しむことか
それのどこがほんとうの幸なのか
僕もまた同じ決意を持ってことに当たり
一、二度、灼かれてみて思うことは
一度たりとも灼かれてはならない
ということですね
だって灼かれるって、ん~ごいことなんだよ
ん~ごいことでしょうな
もう誰もそんな目に遭わないでいいように
人に幸多かれ
*1 『新編 銀河鉄道の夜』 宮沢賢治著 新潮文庫 平成元年6月15日発行 216頁