雨降る夜に
ひだかたけし
雨降る夜に
均衡は崩れ
見知らぬ街の光景が
雪崩れ込む
飛び跳ねるように
沈み込むように
アタマのなかの憂鬱が
ゆっくりと溶けてゆく
遠くの砲撃、小さなカラダは引きちぎられ
遠くの砲撃、泣き叫ぶ血塗れの肉
雨降る夜に
哀しみは止めどなく
浮遊する魂
薄膜をつくり
アタマのなかの憂鬱を
ゆっくりと溶かしてゆく
遠く戦火は燃え上がり
火炎に包まれ朽ちていく
リアルが地平を焼き尽くす
まとわりつく憂鬱と雪崩れ込む現実と
見据える意志を培う
雨降る夜に、この雨降る夜に
自由詩
雨降る夜に
Copyright
ひだかたけし
2022-04-03 20:25:07
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