nowhere
ひだかたけし

ただここに 
どこでもないここに
ポツンと取り残され
僕ら二人
日がな一日
木の実を食べ
遠い一日
足下には
巨大なイキモノが蠢いて
(眩めく予感に戦慄いて)
薄日の光に身をやつす

「アタマのなかの残像がボヤけて
でも何だかとても懐かしい
僕らは何処から来たのだろう?
僕らは何処へ去るのだろう?」

足下には
巨大なイキモノが蠢いて
隆起し屈曲するその感触
(決して掴み切れないその実相)
眩めく予感に戦慄いて
孤独の木の実を分け合って
遠い一日が過ぎてゆき

僕ら、
どこでもないここで
僕ら、
どこでもないここで















自由詩 nowhere Copyright ひだかたけし 2022-04-02 18:42:47
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