アースランテの軍拡(二)
おぼろん

ハッジズがラーディガンと盟約を交わしたという情報は、
二か月遅れで各国にも届いた。
「なんと。アースランテはこの世の破壊を望んでいるのか?」
「ライランテを、魔物の闊歩する土地にするつもりか……」

各国の反応は様々であった。
しかし、ファシブル、ラゴスとも静観を保っていた。
彼らとて、幽冥界と盟約を交わすことは可能だったのである。
とくに、ラゴスにはネクロマンサーが大勢いる。

だが、ハッジズ・ア・ラ・ガランデのほうが一枚上手だった。
大陸ライランテ中の魔導士を集め始めたのである。
そのことで、アースランテの戦力は格段にあがった。

「ハッジズは、アルスガルデの再来を望んでいるのかもしれない」
クールラントの祭祀クーラスは冷静に分析した。
「しかし、その望みは叶うことはないだろう」不敵な笑みをもらした。


自由詩 アースランテの軍拡(二) Copyright おぼろん 2022-03-31 20:15:38
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