モンシロチョウ
山人

地球が終わりの日
外ではモンシロチョウが飛んでいた
私の中ではすべてが終わり
平穏な終焉が訪れようとしていたのだ
何時如何なる場面でも脆く落下しそうな形態で
モンシロチョウは飛んでいた
 地球が終わりだというのに
なんとも呑気に飛んでいる
夜には鈴虫が鳴き
まだ星々はピカピカと光り続けているというのに
地球は終わるのだという
きっとモンシロチョウは、全てが消え
空間だけになったとしても
何もないゼロの世界で
ひらひらと時空の断片で舞い続けていくのだと思う


自由詩 モンシロチョウ Copyright 山人 2022-03-31 03:49:40
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