呪いのネックレス(四)
おぼろん

しかし、この話には裏の話がある。
「これを、カシュガルさま」ヨランは、
ギボーシュのネックレスを差し出した。
「まあ、なんと美しい」カシュガル夫人はため息をもらす。

「しかし、このネックレスは呪いのネックレスですよ」
「それでも良いのです。首にかけなければ良いのですから」
「そうですね。古代の魔法がかけられた品物かもしれません」
「今、この美しさを、あなたも分かるでしょう?」

しかし、ある時、カシュガル夫人は誘惑に負けてしまった。
ギボーシュのネックレスの首にかけてしまったのである。
そのギボーシュのネックレスは、徐々に小さくなっていった。

そして、カシュガル夫人の首元を締め付けていく。
すなわち、このネックレスは暗殺のための道具だったのだ。
カシュガル夫人はそれで命を落としてしまった。


自由詩 呪いのネックレス(四) Copyright おぼろん 2022-03-30 03:03:30
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クールラントの詩