呪いのネックレス(三)
おぼろん

クールラントは高価なものにあまり重きをおかない。
それはクシュリーが奴隷解放の魔法をつかって以来、
とくに顕著であった。ラゴスやアースランテのような、
他国に攻め入ることで領土を拡大してきた国とは違う。

カラスガラの博物館は、二重の結界で守られていた。
しかし、それだけである。
盗賊ヨランは次元跳躍の魔法が使えた。
それゆえに、カラスガラの宝物庫にはたやすく忍び込めた。

そこで、盗賊ヨランはギボーシュのネックレスを探す。
それも容易に見つかった。
「今回の依頼は、たやすかったな」

盗賊ヨランは、思わず微笑した。
これだけで二〇ギンテの収入があるのである。一介の盗賊である
ヨランにとっては、二〇ギンテの報酬は魅力的であった。


自由詩 呪いのネックレス(三) Copyright おぼろん 2022-03-30 03:02:38
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クールラントの詩