オルゴール代わりに心臓を弾く
竜門勇気


背中がいたくて眠れない
昼間は睡くて
真夜中は本を読んでる
朝にはドキドキしてる
まるで音楽みたいで嬉しい
心臓が無茶苦茶に音楽をやってる
シャッグスがぼくを動かしてる
ぼくの中心で世界真理が動いてる

壊れかけた機械は
調子よく歯車を吐き出す
もう一つ君を作れるくらい
よくみれば
どれも使い物にならないって
すぐ分かるけど
バカどもが有り難がって
奪うように躾られてるから
ここはとても清潔
整理整頓されたように見える
壊れかけた機械と壊れた空間

背中がいたくて眠れない
壊れた歯車を集めて
何かが出来上がる
その途中で砕けた肉片が
丸めた背中に降る
いたくていたくて眠れない
血の臭いが世界のすべての臭いを隠してる
ドキドキする
さっきまで読んだ本の中身のことを考えてる
ドキドキする
心臓の音が無茶苦茶な大きさで聞こえる
止まってくれ、止まってくれと
思いながら



自由詩 オルゴール代わりに心臓を弾く Copyright 竜門勇気 2022-03-28 22:45:08
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