春の君
ひだかたけし
ぽっと灯りがともるような
そこだけ救われていくような
歩き始めたばかりの幼な子が
強風のなかゆらゆら立っている
生きて、息して、活き活きと
強風のなか立っている
春は生命の胎動と
絶えざる生命の凋落を
浮き彫りにして進み行く
肉感的な季節の辞
君は巡っていくのだろう
僕を置いたまま
帰っていくのだろう
その優しいシルエット
柔かな陽射しに溶けていき
ぽっと灯りがともるような
そこだけ救われていくような
自由詩
春の君
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ひだかたけし
2022-03-27 18:43:17
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