月姫
秋葉竹




《愛って書いて(君の名)と読むよ》

ゆび伸ばし
綺麗な冬の空の月
触れて「大好き、姫さま」と泣く





《月の光があたたかいんだよ、ね》

透きとおる
あの月光は冷ややかに
みえているだけでやさしいんだよ?



《泪こらえて、月の湖をみる》

さみしくて
月の湖を見てた目で
見えない君のまぼろしを見る




《泪こらえて、愛を忘れる》

震える声
冷たい風が刺さるから
せめてあなたを忘れさせてよ





《小さな星が、いっぱい煌めく》

星の白
降る雪よりも咲く花の
吐息よりただ真白に煌めく





《氷の街で、震えている夜》

冬空を
金魚が流星みたいに泳ぐ
キラキラ星座の名前も知らずに














自由詩 月姫 Copyright 秋葉竹 2022-03-21 21:30:16
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