夢の境界
ひだかたけし
蒼く震える手が伸びて来る夜
僕は夢の中にいた、夢の中をさ迷っていた
境を隔てる壁は何処にもなかった
でも神さまは見当たらなかった
しめやかな雨が街路樹を濡らしていき
昼間荒れ狂った海は信じられないほど凪いでいた
夢の奥でひたすら踊っていた人、あれは誰だったんだろう?
蒼く震える手が伸びて来る夜
僕は夢の中にいた、夢の中をさ迷っていた
境を隔てる壁は何処にもなかった
でも神さまは見当たらなかった
夢の境界、イメージの果て
気配だけは濃密に
蒼く震える手が伸びて来る夜
魂は愛に浸され
神さまは見当たらなかった
神さまは見当たらなかった