夢の境界
ひだかたけし

蒼く震える手が伸びて来る夜
僕は夢の中にいた、夢の中をさ迷っていた
境を隔てる壁は何処にもなかった
でも神さまは見当たらなかった
しめやかな雨が街路樹を濡らしていき
昼間荒れ狂った海は信じられないほど凪いでいた

夢の奥でひたすら踊っていた人、あれは誰だったんだろう?

蒼く震える手が伸びて来る夜
僕は夢の中にいた、夢の中をさ迷っていた
境を隔てる壁は何処にもなかった
でも神さまは見当たらなかった

夢の境界、イメージの果て
気配だけは濃密に
蒼く震える手が伸びて来る夜
魂は愛に浸され
神さまは見当たらなかった

神さまは見当たらなかった









自由詩 夢の境界 Copyright ひだかたけし 2022-03-20 23:30:37
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