自由詩「アパートのみる夢」2022.03.20(日)
田中恭平
ひろい町の
狭い世界で暮らしています
今は
今も、ずっと・・・
山々は霞み
あとは人工物しか目に映らず
この
木造アパートメントは
森林で
あった頃の夢をみている
みつづけている・・・
わたしがこのへやで
ふみつける一歩、一歩は
きっと
アパートのみる夢の悪夢
その
通奏低音で
笑いかける
笑いあえる
ふたりの生活が
きっとアパートにとって
良い夢のねむりばなでありますように
みんな 誰それもわからない
みんな
が
春の夕暮れどき
うつくしさそのままに
エレガントにコーヒーを飲んだり
食べたり 語りあったり 本を読んだり
できますように
別になにとせず 考えた