迎撃の街~ギリギリと、ギリギリと
ひだかたけし

咲き誇る花々を
慈しむ春のように
柔かな魂を晒して
行き先も帰る場所も知らず
季節を巡り螺旋に昇り
ただただひとり
駆けていく

開ける光景に圧倒され
好悪を超え宙を舞う

反転する自我の聖性が
横転する肉身の俗性が
溶け合い融合し爆発するとき
恐怖に貫かれた戦場の街に
(心の底の荒涼とした廃墟に)
ギリギリと、ギリギリと
肉迫していく契機が
稲妻のように到来する

)その時、わたしは平静を保ち
)自らの恐怖と対峙できるだろうか

闘いは既に始まっているのだ
迎撃の街に塹壕が張り巡らされているように









自由詩 迎撃の街~ギリギリと、ギリギリと Copyright ひだかたけし 2022-03-15 18:12:27
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