初夏無題
蒼木りん

くつ下を脱いで
滑り込むシーツの上
夏の夜はいつまでも宵のように
生物の気配がして
そのまま朝が来るのも惜しくないような
夜更かし

ああ
柵の無い頃はいつ来るの
この季節はいつ過ぎるの
辛さは
最後の涙で報われるの
だから
頑張るしかないのかな
わたし
頭悪いから
萎れることばかり

くつ下は
手洗いしないと
白くならないね
一円でも安いものを買うのは
常識だったんですね
どうでもよかった
だって
わたし他に
ほしいものがあった気がしてたから
いつも

この世界と違和感
だから
誰かに従うしかない
わたしを天女と呼ぶなかれ
羽衣は
だいじなものと引きかえなんて
恥かしくて天にも帰れやしない



未詩・独白 初夏無題 Copyright 蒼木りん 2005-05-01 07:08:24
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