生きるということは
こしごえ
生きているということは死に近づくということ
しかし
死に近づくということはそれまでの分を
生きられる
ということだ。ありがとう
日の出直前の東の空に影で黒い雲が
風で千切られて流されていく
あのひとのあの悲しみは今頃どこにあるのか
たった今も
あそこにあるのか
そのことを知りようもない私は
空き地に生えている草よりも
とぼしい
私のいのちは欠けている
故に満ちることも出来る
写真が写すのは真実か
私の目に映るのは真実か
終りがあることが救いになる場合もある
ある次元では真実を私は求めてはいない。
何を
どう思うかです
いのちがここにあるか
いのちがそこにあるか
いのちがあそこにあるか。
存在しているかどうかは
ここでは特に問題ではない
存在しているのだから
今は
ここに
一輪の花をじっと見つめる不在
無いということを思う
日はのぼり
部屋に光が射しこんできて
淡かった物が影を濃くする
「心配はしないで」
ほんとうは私は生きたいのだ。
そうか
生きているということは、変わるということなんだ。
生きるということは
いのちを思うこと
さまざまに
さまざまな
いのちを思うこと
ありがとう
生きるということは
ありがとう
手を合わせる