青い春
番田 


街はいつのまにか 輝いている
乾いた 冬も終わっていく
でも 風は冷たいままだった そんな
横浜の地下街をどこまでも行く
池袋の地下街とは異なる思いで
だけど少しだけ疲れていたのだ
水族館の中にいる感覚で そして
感覚によって 行くのだろう
どこかへと レンガの壁を
歩道橋を渡って 今日も
僕は潰れかけたツタヤの前を
いくつかの階段を登っては 歩いていく
この目で僕は僕であることを忘れて


季節はどこに行くのだろう
ぼやけた思いだ 心は
同じように思える この目も
車だけがせわしなく動いている朝に
そして疲れていた午後に
歩道橋の上に立ちつくしていた夕暮れに
海に深く潜っていた夜に



自由詩 青い春 Copyright 番田  2022-03-11 00:34:04
notebook Home 戻る