ボーン・ガール
オオカミ


片手でもてあました春にさよなら
できない できないことばかり

ゼリーのフタがうまくはがせなくて
すこし、いらいらしていた
わたしわらうから
わらうから


センチメンタル
スプリング
ボーン・ガール

もうすぐ夏がくるよ
失うものをひとつ えらんで
あしどり軽く
とけてゆく袖

センチメンタル
サマー
ボーン・ガール

花火の火の粉にも
とどかない
ボーン・ガール
たましいに触れるのが
こわかった


素足のゆびのすきまから
芽吹いてくる
ひとつ ふたつ みっつ
えいえん と えんめい
を切りはなす ボーン・ガール
しずかに、燃えていた
花火よりもきれいな


そのからだで
燃やした てがみ
さいごのひとことは
「      」



ママよりもきれいな
ボーン・ガール
パパよりもつよい
ボーン・ガール


(いつか、)

おとなになる
ボーン・ガール


永遠の延命に
つめたい というなまえをつけて
いつだって あいするもののために 泣いた
ボーン・ガール

花火よりもとおく
打ちあがる
ボーン・ガール

ボーン・ガール




未詩・独白 ボーン・ガール Copyright オオカミ 2005-05-01 01:35:28
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