悪魔とお茶を
ひだかたけし
悪魔とお茶を
ある晴れた昼下がり
あなたと出会ったその日に
悪魔とお茶を
わたしは歩き続けていた
まだ暗い山中を
朝の鐘の音が鳴り響き
皆が仕事場へ出掛けた後
ひとりその場に崩れ落ちた
山の頂きには湖が在る
三つ、ぽっかりターコイズブルーの
存在しないと断定しないで
瞳を開いてよく見て
山の頂きにぽっかり在る湖を
)あなたの感覚しか信じない明晰なその頭脳に
)悪魔は涎を垂らして取り憑くんだ
悪魔とお茶を
ある晴れた昼下がり
あなたと出会ったその日に
悪魔とお茶を
あなたはその日
フルサトと引き換えに自由を得た