戦場の街
ひだかたけし

闇が広がる
殺された光だ
茫漠と冷え切り
意識を占拠する

出て行っては戻って来る
戻って来ては出て行く
真夜中の悪夢
繰り返し繰り返し
穴が開いた虚空
逃走する防空壕
猛スピードで
サイレンが反響する

散乱する無数の死体
慕い遊んだ陽光は遠く
飛び交うミサイル
リミッターは解除され
無限の絶望が街を占拠する

(意識と意識の攻防が
悪魔の高笑いを誘い
やがて
彼らの支配を完璧にする)

殺し屋の老いて皺の無い顔、
殺し屋の老いて皺の無い顔、


闇が広がる
殺された光だ





 



自由詩 戦場の街 Copyright ひだかたけし 2022-03-05 20:30:13
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