夢見の午後
ひだかたけし

あたたかな
日の光が降り注ぐ
静謐な午後
夢の感触を追いながら
夢の輪郭を確かめながら
眩しく輝く光源に従い
浅い夢見に入っていく

遠い日々、震える記憶
ひとり見つめる
疼く胸のうち
あの日あなたは身を投げ出し
軽々と日常から逃れ出た
砂漠の広大な風紋に
うっとり身を預け
天空の透明な気流に
ゆったり四肢を広げ

ガラスの瞳が宇宙の漆黒に溶けていく

あたたかな
日の光が降り注ぐ
静謐な午後
蕩けるような思いを抱いて
日溜まりのなかへ歩んでいく

夢の際に佇みながら
夢の言葉を反芻しながら
ゆっくりと
今夢見の淵に立つように


















自由詩 夢見の午後 Copyright ひだかたけし 2022-03-03 19:57:24
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