ロシア
ひだかたけし

薄日の街道を歩いて行く
太陽は見えない
ずっとずっと歩いて行く
薄日の白んだ街道を

堆積した時がまた一時解き放たれる
鳴り響くサイレンのなかで
哀しく蒼白に
踊る子どもたちは
ガラスの瞳を濡らし
投下された戦禍に透明になっていく

(人間が挑発し人間が逃げまとう
恐怖による拒絶、恐怖による攻撃
増幅する欲望が孤立の夜に立ち上がり
帝国の強大を告知する
降り続ける雨を切り裂き
永遠の使命と野望に打ち震え)

薄日の街道を歩いて行く
太陽は見えない
ずっとずっと歩いて行く
薄日の白んだ街道を
ずっとずっと










自由詩 ロシア Copyright ひだかたけし 2022-02-28 12:18:41縦
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