孤独な愛で
こしごえ

澄んで淡くやさしい光に照らされた
円いちゃぶ台の上にノートを広げ
パイロット社製の「ドクターグリップ」シャーペンで
詩を書いている。
詩を書いているといっても
これが詩なのかどうか
作者がこれは詩だと言えば
詩なのだろうし
読者がこれは詩ではないと言えば
詩ではないのだろう。
詩とは、死を含んでいる生だと思う
私にとっては
言葉の姿がなくても
あらゆるところに詩は生きている
詩という感覚を
そのいのちの 声を
時々感じる
たとえば
コーヒーカップをちゃぶ台の上に
「コトン」と置く音を
私と共に聞く
宇宙の魂は
広く静かな闇を持っている
私の闇もどこかに光を持っている
独りの宇宙と
独りの私が出会い交わる時
詩は独りで生まれてくる
ひとりきり
たとえ
誰かに見守られながら逝くとしても、
逝く時も独りで逝く私
なぜなら
宇宙の存在と私の存在は
つながっているから
独りは全て
全ては独り
宇宙も
私も
詩も
つながっている
孤独な愛で
満ちている
淋しさへ
手を振る


自由詩 孤独な愛で Copyright こしごえ 2022-02-27 06:48:09
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