KID A.2
ひだかたけし

子どもたちが目覚める朝、
怪しい鉱物質の煌めき
管楽器が荒れ狂い
セリアガル不安に
一つの強迫観念が
冷ややかな絶望を
木霊させる

ボクはココニいない
ボクはココニ属さない
ボクはヒトリダ、
ボクはヒトリダ!

ひたすらに眼を見開き
遠い世界の感触を確かめる
(宇宙の底へ落ちていく感覚)
その時
朝を告げる鐘の音
いつものように
いつものように
一日が始まり
いつしか濁流に
呑み込まれていく

  *

大人たちが身を寄せあい踏ん張っている頃
子どもたちはただひたすらに目醒めていき









自由詩 KID A.2 Copyright ひだかたけし 2022-02-22 20:14:30
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