猫よ
ちぇりこ。

かつて、見たことのないような夕暮れに
わたしたちは影の、点描画にされてゆく
その横を、すり抜けるものがある

宴の、終焉を迎えようとしている
冷めきった夫婦間を
取り繕うように動くものが、ある

絶望の淵の少女に寄り添い
セレブの膝の上で怠惰に過ごす
月明かりの駐車場で夜な夜な会議を開き
顔を洗いながら召喚魔法を唱える
(ねこよ、こねこ、ここねこ、こねこ)

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わたしたちは、猫背が酷くなる一方で
おまえたちは、きっと世界を掌握している


・注)
()内、原マスミ「猫へ」より引用


自由詩 猫よ Copyright ちぇりこ。 2022-02-22 10:22:01縦
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