猫よ
ちぇりこ。
かつて、見たことのないような夕暮れに
わたしたちは影の、点描画にされてゆく
その横を、すり抜けるものがある
宴の、終焉を迎えようとしている
冷めきった夫婦間を
取り繕うように動くものが、ある
絶望の淵の少女に寄り添い
セレブの膝の上で怠惰に過ごす
月明かりの駐車場で夜な夜な会議を開き
顔を洗いながら召喚魔法を唱える
(ねこよ、こねこ、ここねこ、こねこ)
ヒゲで明日の株価を占い
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わたしたちは、猫背が酷くなる一方で
おまえたちは、きっと世界を掌握している
・注)
()内、原マスミ「猫へ」より引用