わたしの浅瀬
ふく

寄せても、返す気持ちは帰り道を知りませんでした

電車の窓
あなたの手のあたたかさは
窓とわたしの温度を簡単に上げます

ゆっくりと
眼下に広がる青を見ながら
あなたを盗み見るのだけれど
隣の目線はまっすぐ空の境界線
わたしは少し笑みを

寄せても、返す気持ちは帰り道を知りませんでした

わたしの浅瀬はあふれそうで
あなたを溺れさせてしまいそうな海

寄せても、返す気持ちは帰り道を知りませんでした

波をひかせるには、
あなたの手はちょっと暖かすぎました


未詩・独白 わたしの浅瀬 Copyright ふく 2005-04-30 13:15:08
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