復讐が終わって(五)
朧月夜

カーガリンデに帰着したエインスベルを待ち受けていたのは、
戦士エイソスの来訪だった。
戦士エイソスは、荒々しく扉を開けながら、
エインスベルの居宅に飛び込んできた。

「奴はどこだ!?」
「奴とは……?」
「もちろん、アイソニアの騎士のことだ。エインスベルよ、
 お前は彼と一緒に旅立ったのではなかったのか」

「今、彼はここにいない。わたしもそれを悲しんでいる」と、エインスベル。
「ならば、彼はどこにいると言うのだ?」
「きっと、アースランテの街に」

「アースランテだと? 奴はクールラントに弓を引くというのか?」
「分からない。ただ、彼には数多くの刺客が放たれていたのです」
「知っている。アイソニアの騎士には、正式な捕縛状が出たのだと」


自由詩 復讐が終わって(五) Copyright 朧月夜 2022-02-06 11:01:39
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クールラントの詩