灯台
ちぇりこ。
晴れた日に
息子と二人で海を見にゆく
私の背などとうに追い越して
何食わぬ顔をして
乱反射する水面の光を
キラキラと浴びているやつだ
いつの間にか
通過する季節を跨いできたね
海に突き出た防波堤に
白い灯台が立っている
「遠くに行ってはいけないよ」
もう効力を失った呪文は
疲れ始めた胸の中で
ぐるぐると回っている
周回遅れの海鳥が
けたけたと笑いながら
頭上を通過しやがる
晴れた日に
水平線は微かに光る
自由詩
灯台
Copyright
ちぇりこ。
2022-02-04 10:28:46