母との再会(一)
朧月夜
ミーガンテを捕縛した後、エインスベルは、母の元へと赴いた。
マリアノス・アリア・ガルデは、十年の間、
王宮の北にある塔の中に幽閉されていたのである。
マリアノスがいる牢獄は、塔の最上階にあった。
エインスベルは、まずは炎の呪文を使って、衛兵たちを駆逐した。
そして、母が幽閉されている塔を駆け上がっていく。
マリアノスの牢獄は、外から鍵がかけられていた。
その鍵はミーガンテの居室にあり、エインスベルはそれを手にしていた。
牢獄の扉を開けた瞬間、「誰か!」というマリアノスの声が響いた。
時間は深夜近くである。こんな時間に人が訪れることはない。
マリアノスは、エインスベルが想像していたよりも、窶れてはいなかった。
まさに「気丈」という言葉がマリアノスには似合っていたのである。
「陰謀」を持ってファシブルの女王となった、ミーガンテとは対照的だった。
「お前はもしや……」マリアノスはゆっくりと口を開く。
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クールラントの詩