ミーガンテ対エインスベル(四)
朧月夜

「異界の魔物を呼び出すことなど、黒魔術師のすることではないですか」
エインスベルは叫ぶ。しかし、ミーガンテは受け流した。
「それを言うなら、お前も同じことだ、エインスベルよ。
 外では今、ネクロマンサーとアンデッドがわたしの軍隊と戦っている」

「では、なぜ貴女一人がここにいるのですか?
 護衛を常駐させておけば良いことでしょう」
「わたしは何をも信じていない、誰をも信じていない。
 我が身はわたしのみが守る。そのための魔導だ」

「貴女には失望しました。これまで以上に」それに対して、
ミーガンテは、「負け犬の遠吠えだな。
ここで魔獣の贄となって、ファシブルの繁栄に貢献するが良い」

ミーガンテは不敵に笑った。その傍らで、
アイソニアの騎士はメゾポンテと必死で剣を交えていた。
どちらが勝つのか、敗北するのか、誰にも分からなかった。


自由詩 ミーガンテ対エインスベル(四) Copyright 朧月夜 2022-01-29 21:52:46
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クールラントの詩