聖なるもの
草野春心



  素数をたべる男は
  きのう 遺体になった

  電球がつるつるとともり
  部屋は 笑えるまるみを孕んだ

  聖なるものは うたわれながら
  おおきな 蛇の 腹のなかだ

  椀に のこる
  吸い物を 啜る
  線形の夜 なにかが 少しだけ 勘付かれている




自由詩 聖なるもの Copyright 草野春心 2022-01-29 21:04:00
notebook Home 戻る  過去 未来