ひだかたけし

気怠い声を
突き刺さる声を
遥かな地平に放ち
失われた故郷からの応答を待つ

懐かしい高曇りの大気の匂いに誘われ
剥き出される異邦の孤独が
両手を広げ帰っていく場所

振り絞るように、ささやくように、夢見るように
遠く遠く響かせて
永遠と一体化する、永遠の地平となる
つかの間のこと
(私たちが今生に滞在する事相の真実)

割れんばかりに響き木霊する声を
何度も、何度でも、たましいに沈めて





自由詩Copyright ひだかたけし 2022-01-25 19:44:27
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